お仕事小説
読書の秋と言うが、本は季節を問わずに読むもんだろう。
時間がたっぷりできたので色々読むつもりだったが、会社へ行ってる時とあまり変わらないペースのような気がする。優先順位の問題だろうか。
読んだラインナップを見返すと、小説に限って言えば所謂「お仕事小説」と呼ばれるようなジャンルを前に比べて読んでいることに気付いた。ということで、ここ何カ月かの間に読んだお仕事小説を3作品ご紹介しよう。
①家康、江戸を建てる(門井慶喜)
小田原征伐(1590年)の後に徳川家康は豊臣秀吉より関東転封を命じられる。本作は当時、湿地帯で東国の片田舎だった江戸を各種土木工事で大都市に変化させていく様を描く。家康というより職人や役人の働きっぷりがいきいきしている。
航空自衛隊の広報室が舞台。広報とは、自衛隊とは何ぞやがよく分かる。各章のエピソードはどれも興味深いが、最終章の東日本大震災とその後の話は胸に迫るものがあった。
➂この世にたやすい仕事はない(津村記久子)
失職した主人公がハロワで紹介された色々な仕事をやっていく話。当初の探り探りの段階から、仕事に慣れ、段々面白くなったり飽きてくる様がリアルを感じる。
さらに「本日は、お日柄もよく」(原田マハ)や「組織に埋れず」(高杉良)も面白い。高杉良作品はモデルが実在なので、小説の体を成したドキュメントとも捉えられる。
時間がある現在、アホみたいに読書に没頭したいな、と改めて思う次第ですわ。
<本日の1枚>
パスポートよりも大きなTボーンステーキはファミレスながら美味しくいただいた。