オリジナルとは
先般、『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』(アダム・グラント)という本を読み終わった。
これは今年初夏に会社を退職することが決定した前後に買い、この前のニューヨーク旅行にもお供した1冊である。何かと示唆に富む内容だったので雑感を記しておく。
歴史に名を残すような偉人も周りから担がれて渋々リーダーになったというのが面白い。キング牧師は大学の学長になりたかったが、ボイコット運動のリーダーに選ばれたため集会で演説する必要に迫られた。初代大統領ジョージ・ワシントンは事業に専念していたが、ジョン・アダムズ(独立戦争の指導者)より植民地軍総司令官に任命されたので革命活動に身を投じることになった。などなど。
個人主義で自己主張が強いとされるアメリカでも発言して目立つことに恐れを持っているという記述も興味深い。ただ、オリジナルなことを実現する人たちは、何が違うかというと行動を起こすという点だという。「やって後悔するより、やらない後悔の方が大きい」という内容は至る所で聞かれる教訓である。ただ、闇雲にやれば言いということはなく、リスクはバランスを取った上で取り組むのがよいようだ。
その他、傑作は多作から生まれる、地位がないのに権力を使うと非難される、先延ばしは必ずしも悪でない、節度ある過激派になることが必要、等々興味深い記述が多い1冊であった。
<本日の写真>
2007年9月の宮崎・高千穂。
ずぶ濡れになってるオヤジがいたのが印象的。